この記事でわかること
この記事を読むと、ディズニー実写版『白雪姫』が巨額の赤字を出して上映打ち切りになった理由がわかります。
米ディズニーの長編アニメ映画『白雪姫』の実写版が赤字に終わる公算が大きくなっています。
赤字額はなんと1億1500万ドル(約165億円)に上る見込みです。
日本でも書き入れ時のGW期間中にもかかわらず、すでに上映を打ち切った映画館が続出。
「白雪姫はもう上映していないですね」と映画館スタッフが淡々と語る状況になっています。
なぜこれほどの大コケになったのか?
その全貌を徹底解説します。
✅ 『白雪姫』実写版とは?ー公開前から波紋を呼んだ問題作
米ディズニーが誇る最初の長編アニメーション『白雪姫』(1937年)を実写化した作品です。
製作費は約2億7000万ドル(約395億円)と巨額の予算をかけました。
ℹ️ 『白雪姫』実写版の基本情報
- 公開日:2025年3月20日(日本でも同日公開)
- 主演:レイチェル・ゼグラー(『ウエスト・サイド・ストーリー』)
- 悪の女王役:ガル・ガドット(『ワンダーウーマン』)
- 製作費:約395億円(ディズニー実写作品の中でもトップクラス)
実は製作費は『アラジン』や『美女と野獣』などの成功した実写作品をも上回る超大作だったのです。
しかし公開前から以下の問題点が指摘されていました:
- 白人設定の白雪姫役にラテン系女優を起用
- 7人の小人の描き方を現代的に改変
- 主演女優の物議を醸す発言
ディズニーにとって重要なプロジェクトだったからこそ、これだけの予算を投入したと考えられます。
しかし結果は厳しいものになりました。
次に、なぜこの映画が失敗したのかについて、詳しく見ていきましょう。
✅ なぜ失敗した?白雪姫実写版の3つの致命的問題
白雪姫実写版が失敗した原因には、次の3つの大きな問題がありました。
1. 物議を醸したキャスティングと原作改変
原作では「雪のように白い肌」と描写される白雪姫に、コロンビア系のレイチェル・ゼグラーを起用したことで批判を浴びました。
さらに名前の由来も「白い肌」から「吹雪を生き延びた」という設定に変更。
原作のグリム童話では「肌は雪のように白く、髪は黒檀のように黒く、唇は血のように赤い」と描写されています。
この原作改変が「ポリコレに配慮しすぎ」との批判につながりました。
「7人の小人」も、CGを使った描写に変更されたことで、実際の小人症の俳優の起用機会が減ったとして物議を醸しました。
2. 主演女優の「原作批判」発言
レイチェル・ゼグラーは以下のような発言をして、原作ファンの反感を買いました:
「白雪姫が好きじゃない」
「王子はストーカーのような存在」
「1937年の価値観は時代遅れ」
こうした発言が、「なぜ好きでもない作品に出演するのか」「原作をリスペクトしていない」との批判を招きました。
一部では「自分の出演作を批判する異例の事態」として炎上しました。
3. 映画としての出来栄えの低評価
作品自体も厳しい評価に。
映画評論サイト「ロッテン・トマト」では批評家の満足度が40%と否定的評価に。
観客からの評価も分かれ、満足度評価「B+」は、実写化作品としては最低ランクとなっています。
映画業界関係者によると、「アニメ版の魅力を活かせていない」「ポリコレ配慮と原作尊重のバランスが取れていない」など、映画としての質にも厳しい指摘が相次いだようです。
ポリコレ配慮と商業的成功を両立させることの難しさを示す事例になったと考えられます。
このような原作改変が興行成績に直結したのかもしれません。
では、具体的な興行成績はどうだったのでしょうか?次で詳しく見ていきましょう。
✅ 興行収入はどうだった?数字で見る白雪姫実写版の惨状
実写版『白雪姫』の興行収入は期待を大きく下回る結果となりました。
北米での初週末興行収入はわずか4300万ドル(約64億円)。
これは当初予想の4500万~5500万ドルをも下回る数字です。
💲 他の実写版との興行収入比較
- 『美女と野獣』:1億7400万ドル
- 『アラジン』:9100万ドル
- 『リトル・マーメイド』:9500万ドル
- 『白雪姫』:4300万ドル
※すべて北米初週末興行収入
『リトル・マーメイド』も多様性を意識したキャスティングで批判を受けましたが、『白雪姫』の2倍以上の興行収入を記録しています。
映画の興行成績を分析する米サイト「ボックス・オフィス・モジョ」によると
公開から約1か月経った5月初旬の世界興収は1億6830万ドル(約246億円)。
製作費395億円を大きく下回り、宣伝費などを含めると赤字額は1億1500万ドル(約165億円)に達する見込みです。
続いて、日本での状況はどうだったのでしょうか?
✅ 日本での反応と上映打ち切りーGW中の異例事態
日本でも実写版『白雪姫』は苦戦。
オープニング4日間の興行収入は3.2億円と期待を下回りました。
⚠️ 異例の事態
驚くべきことに、映画館の書き入れ時である大型連休(GW)中にも関わらず、多くの映画館が上映を打ち切る異例の事態に。
関東地方のシネマコンプレックスでは、GW中の5月4日時点ですでに上映終了していました。
「白雪姫はもう上映していないですね」。映画館スタッフはそう淡々と語りました。
SNS上でも厳しい声が相次いでいます:
- 「原作レイプってのはこういうこと」
- 「ポリコレだけにこだわりすぎるからじゃないの?」
- 「原作と比べると完全に別物のストーリー」
日本市場では特に原作への愛着が強く、改変が受け入れられなかった可能性があります。
また、原作アニメが国内でも長く愛されてきたことから、その価値を損なうような改変に対して特に厳しい目が向けられたのかもしれません。
あなたは実写版『白雪姫』を観ましたか?どんな感想を持ちましたか?
最後に、これまでの内容をまとめてみましょう。
✅ まとめ
実写版『白雪姫』がなぜ失敗したのか、その理由をまとめました:
- 製作費395億円の大作が165億円の赤字という厳しい結果に
- 原作設定の大幅改変と多様性重視のキャスティングが批判を招く
- 主演女優の原作批判発言が原作ファンの反感を買った
- 映画としての評価も低く、口コミ効果が出なかった
- 日本でもGW中に上映打ち切りという異例の事態に
この失敗を受け、ディズニーは実写版『塔の上のラプンツェル』の製作を一時中断するなど、今後の実写化戦略にも影響が出ています。
ポリコレ配慮と原作への敬意のバランスをとることの難しさを示す事例となりました。
今後のディズニー実写化作品でどのような対応がなされるのか、注目されます。
あなたは実写版『白雪姫』を観ましたか?感想をコメントで教えてください。
よくある質問
Q: なぜディズニーはポリコレ配慮を優先したのでしょうか?
A: 近年のディズニーは多様性と包括性を重視する企業方針を打ち出しており、従来の作品を現代の価値観に合わせてアップデートする試みを続けています。しかし『白雪姫』の場合、原作の本質的な要素を変えすぎたことで、原作ファンからの反発を招いたと考えられます。
Q: レイチェル・ゼグラーのキャスティングは失敗だったのでしょうか?
A: キャスティング自体よりも、彼女の原作に対する発言が大きな問題になりました。俳優が出演作品の原典を批判することは通常避けるべきことで、これが映画のイメージにネガティブな影響を与えたと分析されています。
Q: 『リトル・マーメイド』実写版と比べて、なぜこれほど興行成績に差がついたのでしょうか?
A: 『リトル・マーメイド』も多様性を意識したキャスティングでしたが、主演女優が原作への敬意を示し、物語の本質的要素は維持していました。一方『白雪姫』は原作の中核的な要素まで変更したことで、原作ファンの期待を裏切ることになったと考えられます。
Q: 日本のGW中でも上映打ち切りになるほど不振だった理由は何ですか?
A: 日本は特にディズニーの原作アニメを大切にする文化があり、原作改変に対して厳しい評価をした可能性があります。また、口コミの広がりやSNSでの否定的評価が影響し、予想以上に観客が離れてしまったと考えられます。
参考情報
- 産経新聞: 165億円の赤字か 米ディズニー「白雪姫」実写版、大型連休中の日本でも上映打ち切り ()
- 東スポWEB: ディズニー実写映画「白雪姫」がピンチ! 製作費さえ回収できない可能性浮上 ()
- 東洋経済オンライン: ディズニー『白雪姫』実写版が大コケか ポリコレ配慮で古典を今の時代に合わせる無理筋 ()