安いスイーツで人気のシャトレーゼが特定技能外国人労働者88人に休業手当を支払わず、入管庁から改善命令を受けた衝撃の実態。
菓子メーカー「シャトレーゼ」に対して、出入国在留管理庁(入管庁)が5月2日付で改善命令を出しました。
この命令は、特定技能の在留資格を持つ外国人労働者に休業手当を支払わなかったことが理由です。
あなたは「特定技能」という在留資格をご存知でしょうか?
この資格は、人材不足の業界で即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。
シャトレーゼは2024年2月に新工場を稼働するため、88人もの特定技能外国人と雇用契約を結びました。
しかし、工場の建設が当初の計画より遅れてしまい、彼らは約2カ月半も働けない状況に陥ったのです。
⚠️ 重要ポイント: 労働基準法では、会社都合で従業員を休ませる場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことが義務付けられています。
多くの消費者は知らないかもしれませんが、安さの裏側にはこうした問題が潜んでいる可能性があるのです。
⚖️ シャトレーゼに対する入管庁の改善命令とは何か
入管庁からの改善命令は、シャトレーゼが特定技能外国人に休業手当を支払わなかったことを問題視したものです。
驚くべきことに、特定技能制度が始まった2019年以降、受け入れ先への改善命令はこれが4件目という異例の事態となっています。
📋 改善命令の要点
- 約1か月後を期限に改善報告書の提出を要求
- 受け入れ機関としての基準を満たしているか判断
- シャトレーゼ側はすでに休業手当の支払いを報告
なぜこのような事態が起きたのでしょうか?
実は特定技能制度は、人材不足に対応するため即戦力となる外国人材を受け入れる目的で作られました。
しかし今回のケースは、その目的と現状の乖離を浮き彫りにしています。
シャトレーゼの対応はこの基本的義務に違反したと言えるでしょう。
次に外国人労働者が置かれた状況について詳しく見ていきましょう。
👥 特定技能外国人労働者の休業問題の実態
シャトレーゼと雇用契約を結んだ特定技能在留資格を持つ88人のベトナム人労働者は、想定外の苦境に立たされました。
工場の稼働遅れにより、彼らは約2カ月半もの間、無給で待機させられていたのです。
彼らは本来、山形、岡山、鹿児島各県の新工場立ち上げに伴う増員のため採用されました。
同じ産業分野の別の企業から「転籍」という形で雇用契約を結んだのです。
💡 知っていましたか? 彼らは山梨県の工場で2月下旬から働く予定でしたが、機械搬入の遅れなどから新工場が全面稼働できず、待機を強いられました。
あなたは会社都合での休業時に休業手当が発生することをご存知でしたか?
💼 労働基準法で定める休業手当
労働基準法第26条では、会社都合で従業員を休業させる場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことが義務付けられています。
これは外国人労働者にも当然適用されます。
特筆すべきは、シャトレーゼが工場建設の遅れを把握しながらも雇用契約を結んだ点です。
特定技能外国人の受け入れ機関には「生活面のさまざまな支援をする義務も課されており」、単に人手が欲しいという理由だけで制度を利用すべきではありません。
外国人労働者は言語や法律の知識に制約があり、弱い立場に置かれがちです。この弱みにつけ込むような行為があったとしたら、制度の悪用と言わざるを得ません。
シャトレーゼの企業体質について、さらに掘り下げてみましょう。実は今回だけが問題ではないのです。
🏢 シャトレーゼの企業体質と過去の問題点
シャトレーゼの今回の問題は、同社の企業体質を反映している可能性があります。
実はシャトレーゼに対しては、下請け企業や配送関係者からも厳しい対応があるという声が上がっています。
あるSNSでは「外国人労働者にも厳しいけど、下請け企業「配送関係」にも厳しいよ! 長時間待機・運転手による仕分け作業など…」という内部関係者とされる人物のコメントも見られます。
シャトレーゼの過去の問題は何だったのでしょうか?
驚くべきことに、シャトレーゼは今年3月にも公正取引委員会から下請け法違反で勧告を受けていました。
- 菓子の包装に使う資材などの製造を委託した業者から仕上がった商品の一部を受け取らず
- およそ2300万円分を未払いのまま無償で保管させ下請け法に違反
- 2024年11月には商品へのカメムシ混入問題での対応遅れも指摘された
- 過去に金属片混入や水道水白濁などの問題も発生
⚠️ 明らかになった企業体質の問題
公正取引委員会によると、下請け法違反の事案は20年以上も前から続いていた「仕掛依頼」という発注方法が原因でした。
商品の納期を明確に定めず下請けに製造を依頼し、実際に受け取る時期を明示せず、納品を棚上げにするという形式です。
「安くて高品質」というシャトレーゼの魅力の裏側には、こうした問題が隠れているのかもしれません。
地元では「一度でも働いたことがある人は、ここの商品は買いたくないと。シャトレーゼの商品を食べたければ、働くな」という声もあり、内部の労働環境に問題がある可能性も指摘されています。
最後に、この問題から考えるべきことを見ていきましょう。
📝 まとめ
シャトレーゼの特定技能外国人労働者への休業手当未払い問題と入管庁からの改善命令について見てきました。
この問題から考えるべきポイントは次の通りです。
- 会社都合による休業に対しては、日本人・外国人問わず休業手当の支払いが法的義務
- シャトレーゼは工場建設の遅れを把握しながら88人と雇用契約を結んだ
- 過去の下請け法違反など、企業体質に問題がある可能性
- 商品の安さの裏側に労働者や下請け企業の犠牲がある可能性
消費者として私たちは、安さや味だけでなく、企業の姿勢も商品選択の基準にすべきではないでしょうか?
特定技能外国人を含むすべての労働者の権利が守られるよう、社会全体で監視する意識も重要です。
入管庁の改善命令をきっかけに、シャトレーゼが企業体質を改善していくことを期待したいところです。
あなたは企業の労働問題を商品選択の基準にしていますか?
こうした問題について、ぜひ考えてみてください。
よくある質問
Q: なぜシャトレーゼは外国人労働者に休業手当を支払わなかったのですか?
A: シャトレーゼ側の説明によると、工場建設の遅れにより予定通り稼働できなかった際に、外国人労働者への休業手当支払いの義務を十分認識していなかった可能性があります。また、給与の支給口座の把握などの事務手続きの不手際も理由として挙げられています。
Q: 特定技能の外国人労働者が権利を守るためにはどうすればよいのでしょうか?
A: 日本の労働法に関する基本的な知識を身につけることが重要です。また、問題が発生した場合は労働基準監督署や入管庁などの関係機関に相談することができます。特に言葉の壁がある場合は、母国語での相談窓口を利用することも有効です。
Q: シャトレーゼの下請け法違反問題とは何だったのでしょうか?
A: 2025年3月、公正取引委員会はシャトレーゼが下請け業者11社に製造委託した菓子の包装資材などを受け取らず、約2383万円分の未払いと保管費用の負担を強いたとして勧告を出しました。この取引慣行は20年以上も続いていたとされています。
Q: 会社都合で休業させられた場合の労働者の権利はどうなっているのでしょうか?
A: 労働基準法第26条により、会社都合で従業員を休業させる場合、使用者は平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。これは日本人・外国人を問わず、すべての労働者に適用される権利です。
参考情報
- 日テレNEWS NNN: 「シャトレーゼ」に改善命令 特定技能の外国人労働者に休業手当未払い 入管庁 ()
- ビジネスジャーナル: シャトレーゼ、無給で待機を強制…外国人労働者の弱みにつけ込む、特定技能制度 ()
- 公正取引委員会: (令和7年3月27日)株式会社シャトレーゼに対する勧告について ()