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米価格高騰でも「もうからない」農家の悲鳴|5つの構造問題と農家の本音

 

米価格が16週連続高騰の中、農家からは「もうからない」との悲鳴。約70年続く米農家三代目が明かす衝撃の現実とは?



この記事を読むと、なぜ米の価格が上がっているのに農家の収入が増えていないのか、その矛盾した仕組みがわかります。



 

田植え作業に取り組む農家と米価格表示(5kg 4220円)を対比した画像

田植え作業に取り組む農家と米価格表示(5kg 4220円)を対比した画像


 

✅ なぜ米価格が16週連続高騰?「令和の米騒動」の実態

いま、日本の米価格が急上昇しています。16週連続で値上がりを続け、過去最高値を更新中です。



2025年1月、東京都区部の消費者物価指数において、米類の価格は前年同月比で70.7%も上昇しました。



これは1971年以降で最も高い伸び率なのです。



💡 米価格の急騰状況: スーパーの店頭では、わずか1年前には2000円程度だった5キロ入りの米袋が、いまや4220円にまで値上がりしています。おにぎりなどの価格も上昇し、私たちの食生活に大きな影響を与えています。

なぜこんなに米価格が高騰しているのでしょうか?



主な原因は、2023年の記録的な猛暑と水不足による収穫量の減少です。



この気候変動の影響に加え、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表されたことで消費者の買い占めも起き、品薄に拍車をかけました。



⚠️ 意外な事実: 政府は備蓄米を21万トンも放出しましたが、米価格は下がるどころか上昇を続けています。



これは過去の東日本大震災時(4万トン)や熊本地震時(90トン)と比べても前例のない大量放出だったのです。

 

 

 

そして「令和の米騒動」と呼ばれるこの状況は、当初の「米がない」という問題から、「米が高い」という新たな段階へと移行しました。



では、この高騰する米価格は農家にとってどのような意味を持つのでしょうか?実は意外な現実が隠されています



✦ ✦ ✦

🌾 「コストも全て上昇…平行線のまま」70年続く米農家三代目の証言

千葉県旭市で約70年続く米農家の三代目・加瀬好基さん(34歳)は、驚くべき本音を明かしています



「コメの価格が高くなったから、もうかっていると言われたらそうではなく、油代・肥料代、全てにおいてコストが上がっているので、現状は平行線のままかな」

加瀬さんは約20ヘクタールの規模(東京ドーム約4個分)の田んぼで米作りをしています。



田植えシーズンには4000枚以上の苗を手作業で扱う重労働です。



「これは大変。これを32回やる。腰がもげますね」(FNNプライムオンライン取材より)

農作業は機械化が進んでいるものの、多くの作業は依然として人の手で行わなければなりません



加瀬さんは米問屋などに直接販売する販路を開拓していますが、それでも収益改善は簡単ではありません。



他の農家からも同様の声が聞かれます。徳島県の枝川博嗣さん(42)は「これまでずっと赤字でした。米作りを続けてきたのは、プライドみたいなものです」と語ります。



  • 農家にとっての米価上昇 = ようやく再生産可能なレベルに戻った
  • 一般消費者にとっての米価上昇 = 家計を圧迫する深刻な問題
  • 農家と消費者の間の認識ギャップが存在

 

 

 

あなたは高い米の価格に不満を感じていませんか? 実は農家側も十分な利益を得られていないという矛盾した状況なのです。



さらに加瀬さんは、農業の将来についても厳しい見方をしています。



「本当に担い手不足で農家の数がもう単純に減ってしまう」

自分としては正直(子どもに継がせたいと)思っていますけど、どういうふうに変わっていくのかわからない状態なので、やってくれとはね…ちょっと言いにくい部分があります



農業が抱える構造的な問題とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?次のセクションで詳しく見ていきましょう。



✦ ✦ ✦

📊 米価上昇でも「もうからない」5つの構造的理由

米価格が上昇しているのに農家が利益を得られない理由は、複雑な構造的問題にあります



① 生産コストの急上昇

初年度の米作り総経費は10アールあたり11~13万円ほどかかります。



肥料費、農薬代、燃料費、作業委託費などが含まれますが、これらのコストは年々上昇しています



💡 理解しておきたい事実: 特に肥料や燃料の価格上昇率は米価上昇率を上回っており、収益を圧迫しています。肥料の価格だけでも20kg入り1袋で3,000円前後と、年々高騰しています。

② 農地の分散と効率の悪さ

加瀬さんが指摘するように、田んぼが飛び地になっていると移動時間もかかり、効率が落ちます



日本の農地は歴史的に小規模で分散していることが多く、これは過去にはリスク回避の意味で合理的でしたが、現代の機械化農業では非効率になっています。



③ 流通構造と「中抜き」問題

⚠️ 知られざる事実: 政府の備蓄米の落札価格が1キロ350円程だったのに対し、店頭に並ぶ備蓄米は5キロ3500円程度で販売されており、中間マージンが約50%にものぼります。



これは野菜の一般的な粗利20~40%と比べても高い水準です。

 

 

 

④ 農家の規模と収益格差

統計上は米農家の95%が赤字です。しかし、規模によって収益性は大きく異なります。



  • 20ha以上の大規模農家:農業所得は約1,200万円
  • 1〜10ha未満の小中規模農家:多くが統計上赤字
  • 小中規模農家は全体の95%を占める

⑤ 担い手不足と高齢化

米農家は2000年には約174万戸ありましたが、2020年には約70万戸に減少しています。20年間で半数以下になった現実があります。



この状況をどのように改善できるでしょうか?



若い世代の農業離れが進み、技術継承や労働力確保が困難になっています。



💪 持続可能な米農業に必要なポイント

この状況を打開するには、農地集約と効率化が不可欠です。しかし、加瀬さんが語るように、その実現までには「10年、20年かかる」という長期的な視点が必要なのです。

ここまでを踏まえ、米農家の未来と展望について考えてみましょう。



✦ ✦ ✦

🔮 まとめ:「継がせたいが言いにくい」米農家の未来と10年、20年先の展望

米価格の高騰は、私たち消費者にとっては家計の負担増を意味します



しかし、農家にとっては「ようやく再生産可能な価格に戻った」という面もあるのです。



70年続く米農業の三代目・加瀬さんでさえ、自分の子どもに農業を継がせたいと思いながらも「言いにくい」と感じている現実



これは日本の米農業が抱える深刻な課題を象徴しています。



農家と消費者が共に納得できる持続可能な米生産の仕組みづくりは、簡単ではありません。しかし、以下の点を認識することが第一歩となるでしょう。



  • 米価格上昇は農家の「もうけ」ではなく「生存」のため
  • 規模の拡大と効率化が農業継続の鍵
  • 流通の仕組み改革による適正価格の実現が必要
  • 消費者と生産者の相互理解が不可欠

あなたは米価格の上昇をどう感じていますか?農家の実態を知って、考え方は変わりましたか?



今の日本の米作りは大きな転換点を迎えています。加瀬さんが言うように、理想的な形に変わるには10年、20年かかるかもしれません



でも、私たち消費者も生産者も、共に考え、行動する時が来ているのかもしれませんね。



 

 

 

よくある質問

Q: なぜ米価格が上がっているのに農家はもうからないのですか?
A: 肥料・燃料・農機具などの生産コストが米価上昇率を上回って増加しているため、収益が圧迫されています。また、小規模で分散した農地による非効率な生産体制や、流通過程での「中抜き」問題も要因です。

Q: 米価格高騰の後、今後どうなりますか?
A: 政府は備蓄米放出などの対策を講じていますが、農家が指摘するように、構造的な問題の解決には10年、20年かかる可能性があります。今後は農地集約や効率化、流通改革が進まなければ、高い米価格と農家の厳しい経営状況が続く見通しです。

Q: 中小規模の米農家と大規模農家では収益に違いがあるのはなぜですか?
A: 米農業では規模のメリットが大きく、20ha以上の大規模農家は機械化や効率化による生産コスト削減が可能で、年間1200万円程度の所得を得られます。一方、10ha未満の中小規模農家(全体の95%)は固定費の負担が大きく、多くが統計上赤字となっています。

Q: 米農家の場合、もうかるようになるためにはどのような対策が必要ですか?
A: 農地の集約化と大規模化、生産効率の向上、直接販売ルートの確立、新技術導入によるコスト削減などが有効です。また政策面では、減反政策の見直しや農家への直接支払い導入なども検討されています。

Q: 現在の米価格はいつまで高騰し続けるのでしょうか?
A: 農水省の見通しでは、2025年の端境期には在庫が回復する見込みですが、農家や専門家からは「2025年も高値が続く可能性が高い」との見方が出ています。気候変動の影響や減反政策の継続により、短期間での大幅な価格低下は期待できない状況です。

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