⚠️ 東証プライム上場の日精樹脂工業が下請法違反で勧告！
260個の木型を無償保管させ、1260万円の原材料費も未払い
あなたも「大手企業なら法令順守は万全」と思っていませんか？
実は違います。
2025年5月13日、東証プライム上場の日精樹脂工業が下請法違反で
公正取引委員会から勧告を受けました。
この記事を読むと、なぜ大手上場企業でも下請法違反が起きるのか、
どんな違反だったのかがわかります。
製造業界の取引慣行に潜む問題点も見えてきます。
📑 目次
🏢 日精樹脂工業とは？東証プライム上場の射出成形機メーカー
日精樹脂工業は長野県坂城町に本社を置く、射出成形機の専業メーカーです。
1947年創業で、累計出荷台数14万台を誇る業界最大手として知られています。
💡 射出成形機とは
プラスチックを溶かして金型に流し込み、圧力をかけて成形する機械のこと。
スマホケースからペットボトルまで、身の回りのプラスチック製品はほぼこの機械で作られています。
【日精樹脂工業の企業概要】
- 本社：長野県坂城町
- 設立：1947年
- 上場：東証プライム
- 出荷台数：累計14万台（国内最多）
- 事業：射出成形機の専業メーカー
では、なぜ金型の無償保管が違法になるのでしょうか？
❓ なぜ金型の無償保管が下請法違反になるのか
金型の無償保管は「不当な経済上の利益の提供要請」に該当します。
保管費用を支払わずに型を保管させることは、下請企業の利益を不当に害するんです。
⚠️ 注目ポイント
実は今回の事案では、幅2メートル、重さ400キロ超の大型木型もありました。
倉庫を借りて保管していた下請企業もいたそうです。
部品等の製造を委託し、その製造に用いる型等を下請事業者に保管させている場合において、
親事業者が部品等の発注を長期間行わない等の事情があるにもかかわらず、
保管費用を支払うことなく下請事業者に型等を保管させたときは、
不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。
（公正取引委員会）
考えてみてください。
あなたの家で友人の荷物を何年も無料で預かるとしたら？
スペースも取るし、管理も必要ですよね。
同じ問題が製造業界で起きているんです。
さらに深刻な問題として、発注取り消しによる1260万円の未払いもありました。
💰 1260万円の原材料費未払い問題と発注取り消しの実態
もう1つの違反は、発注取り消しによる原材料費の未払いです。
日精樹脂工業は、3600台発注のうち1350台を不当に取り消しました。
📊 違反の経緯
- 12021年9月：下請企業に部品3600台を発注
- 22023年7月まで：2250台を受領・支払い
- 32023年8月：下請企業が未受領分1350台の原材料費を請求
- 42023年9月：「弊社としての義務は十分に果たしている」と支払い拒否
下請企業は発注に基づいて原材料を調達済みだったのに、
約1260万円の費用を負担させられたんです。
一般的に製造業では、発注した側に責任があると考えられます。
しかし、立場の弱い下請企業は泣き寝入りすることも多いのが現実です。
それでは、公正取引委員会はどのような勧告を行ったのでしょうか？
📢 公正取引委員会の勧告内容と今後の影響
公正取引委員会は、日精樹脂工業に以下の勧告を行いました。
📋 主な勧告内容
- 保管費用の速やかな支払い
- 原材料費1260万円を含む費用の支払い
- 取締役会決議による違反行為の確認
- 再発防止のための社内体制整備
- 下請法研修の実施
実は、長野県内では初の金型無償保管による勧告事例なんです。
令和5年度の下請法違反勧告13件のうち、
不当な経済上の利益提供要請は4件を占めています。
【業界全体への影響】
製造業界では型の無償保管が慣行化している面もあります。
今回の勧告は、業界全体への警鐘となりそうです。
日精樹脂工業は勧告を受けて
「今後、委託先と協議して必要な支払いを進める」とコメントしています。
しかし、下請法に関する認識不足があったことも認めています。
最後に、今回の事件のポイントをまとめましょう。
📌 まとめ
今回の下請法違反事件のポイントをまとめます。
⭐ 重要ポイント
- 東証プライム上場企業でも下請法違反は起きる
- 金型の無償保管は「不当な経済上の利益提供要請」
- 発注取り消しによる原材料費未払いも違法
- 公正取引委員会は製造業の型取引を重点的に監視
- 業界慣行と法的問題にはギャップがある
あなたの会社は大丈夫？
下請取引の適正化について考えてみませんか。
大手企業だから安心という思い込みは禁物です。
立場の強い弱いに関わらず、法令順守の重要性を再認識する必要がありますね。
❓ よくある質問
Q: なぜ東証プライム上場企業が下請法違反を起こしたのですか？
A: 大手企業でも下請法への認識不足や業界慣行とのギャップが原因で違反が起きることがあります。日精樹脂工業も「下請法に関する認識不足があった」と認めています。
Q: 金型の無償保管は以前から問題視されていたのですか？その後どうなりましたか？
A: はい、公正取引委員会は近年、金型の無償保管問題を重点的に取り締まっています。令和5年度は13件の勧告のうち4件が同様の違反で、今後も監視が強化される見込みです。
Q: 中小企業が大手企業に対して泣き寝入りしない方法はありますか？
A: 公正取引委員会や中小企業庁に匿名で情報提供できる「違反行為情報提供フォーム」があります。また、下請法違反の報復措置も禁止されているため、積極的に相談することが大切です。
Q: 雨の日や屋外での金型保管の場合、どのような問題が起きますか？
A: 雨の日や屋外保管の場合、金型の錆や劣化が進む可能性があります。特に大型の金型は適切な保管施設が必要で、今回のケースでも倉庫を借りている下請企業がいました。
Q: 製造業で下請法違反に特に弱い部分はどこですか？
A: 製造業では特に金型・木型の保管と発注取り消しが下請法違反に該当しやすいです。長期間使用しない型の保管費用や、発注後の一方的な取り消しによる原材料費負担が問題となります。
Q: 日精樹脂工業は現在どのような状況で、以前と比べて何が変わりましたか？
A: 現在、公正取引委員会の勧告を受けて下請企業との協議を進めています。以前は下請法への認識が不足していましたが、今後は社内研修の実施や体制整備を行い、再発防止に努めるとしています。
参考情報
- 公正取引委員会: 日精樹脂工業株式会社に対する勧告について ()
- NHK: 公取委 坂城町の工作機械メーカーに下請法違反にあたると勧告 ()
- Yahoo!ニュース: 日精樹脂工業に勧告 木型無償保管など下請法違反 公取委 ()
