2025年度の年金額が1.9%アップ!増額分はいつからもらえる?
この記事を読むと、2025年の年金額増加内容と、年代別のリアルな年金受給額がすぐにわかります。
物価上昇が続く中、あなたの年金はどうなるの?いつからいくら増えるの?
そんな疑問にお答えします。
2025年1月24日、厚生労働省から「令和7年度の年金額改定」が発表されました。
今年度は前年度に比べて年金額が1.9%引き上げとなっています。
年金が増えたとはいえ、物価上昇率のほうが高いのが現実。
実質的には「年金の目減り」を感じている方も多いのではないでしょうか?
では、いまのシニア世代はどのくらい年金をもらっているのか、増える年金はいつから受け取れるのか、詳しく見ていきましょう。
この記事でわかること
✅ 公的年金(国民年金・厚生年金)の仕組みとは?
まず、日本の公的年金制度について確認しましょう。
日本の年金は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
💡 1階部分:国民年金とは?
- 加入対象は誰?:日本に住む20歳から60歳までの原則すべての人
- 保険料は?:全員一律
- 受給額はいくら?:40年間欠かさず納めれば満額。納付状況に応じる
💡 2階部分:厚生年金とは?
- 加入対象は誰?:会社員や公務員、一定要件を満たしたパート勤務の方
- 保険料は?:収入に応じて(上限あり)変わる
- 受給額はいくら?:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出る
公的年金は上記のような仕組みですが、実際の受給額には個人差があります。
では、2025年度の増額はどうなるのでしょうか?
次に年金額の具体的な増額と支給時期について見ていきましょう。
✅ 2025年4月から年金額が1.9%増加に!増額された年金はいつ受け取れる?
2025年4月から年金額は以下のように、1.9%の増額となりました。
⭐ 2025年度の「国民年金と厚生年金」の年金額例
【国民年金(老齢基礎年金)の金額】
月額69,308円(年額831,700円)
前年度からの増額:月額1,308円(年額15,700円)、約1.9%増
※1966年4月1日以前生まれの方は月額69,108円(年額829,300円)
【厚生年金の標準的な金額】(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)
月額232,784円(年額約279万円)
前年度からの増額:月額4,412円(年額52,944円)、約1.9%増
※男性の平均的な収入(平均標準報酬45.5万円)で40年間就業した場合のモデル
実は増額された年金がもらえるのはいつからか知っていますか?
公的年金は、支給月の2カ月前と前月の分がまとめて振り込まれる仕組みです。
そのため、増額改定された年金の初回振込日は6月13日(金)となります。
[画像: 年金支給カレンダー2025年度]
⏰ 年金支給カレンダー(2025年度)
- 2025年2月14日(金):12月・1月分
- 2025年4月15日(火):2月・3月分
- 2025年6月13日(金):4月・5月分 ←ここから増額反映!
- 2025年8月15日(金):6月・7月分
- 2025年10月15日(水):8月・9月分
- 2025年12月15日(月):10月・11月分
では、実際にシニア世代はどのくらいの年金をもらっているのでしょうか?
厚生労働省の統計をもとに年代別に見てみましょう。
次に年代別の年金受給額を詳しく見ていきましょう。
✅ 【最新の年金一覧表】60歳代〜80歳代「厚生年金と国民年金」の平均月額はいくら?
60歳代(60〜69歳)の平均受給額
📊 60歳代の厚生年金受給額
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
📊 60歳代の国民年金受給額
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
意外なことに65歳を境に年金額が大きく変わっているのをご存知でしたか?
これは、現行の公的年金制度では、老齢年金の受給開始が基本的に65歳からとなっているためです。
それ以前の受給は特例や繰上げによるものとなります。
70歳代(70〜79歳)の平均受給額
📊 70歳代の厚生年金受給額
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
📊 70歳代の国民年金受給額
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
70歳代の平均年金月額は、厚生年金が約14万円、国民年金が5万7000円から8000円程度と比較的安定しています。
80歳代(80〜89歳)の平均受給額
📊 80歳代の厚生年金受給額
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
📊 80歳代の国民年金受給額
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
実は80歳代の方が厚生年金額が多いことをご存知でしたか?
80歳代の平均受給額は、厚生年金が15万〜16万円台と、60代・70代より高くなっています。
これは年金制度の変遷や、かつての終身雇用・年功序列賃金の影響と考えられます。
次に年金受給額の個人差について詳しく見ていきましょう。
✅ 「厚生年金と国民年金」受給額に大きな個人差があるって本当?
あなたの周りでも、「うちはこんなにもらってない」「あの人はもっともらってる」という話を聞いたことがありませんか?
年金額の個人差について、厚生労働省の統計から確認してみましょう。
📊 厚生年金の平均額(全年齢)
- 全体平均:14万6429円
- 男性平均:16万6606円
- 女性平均:10万7200円
💡 厚生年金の受給額分布
- 7万円以上〜12万円未満:約400万人
- 12万円以上〜18万円未満:約500万人
- 18万円以上〜22万円未満:約240万人
- 22万円以上:約20万人
📊 国民年金の平均額(全年齢)
- 全体平均:5万7584円
- 男性平均:5万9965円
- 女性平均:5万5777円
💡 国民年金の受給額分布
- 3万円以上〜5万円未満:約650万人
- 5万円以上〜6万円未満:約740万人
- 6万円以上〜7万円未満:約1,600万人
なぜこんなに個人差があるのでしょうか?
厚生年金は働いていた期間の収入に応じて決まるため、職業や役職、勤続年数によって大きな差が生じます。
一方、国民年金は保険料が一律なため、納付期間の長さが主な差となります。
💡 年金額を確認する方法
自分の将来の年金額を知るには「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でチェックできます。
今からでも確認して、老後の生活設計に役立てることが大切です。
最後に老後の資金づくりについてのポイントを見ていきましょう。
✅ 老後資金づくりを始めるために大事なこと
今回のデータからもわかる通り、年金額にはかなりの個人差があります。
また、年金だけでは十分な老後生活を送るのが難しい方も少なくありません。
⭐ 老後資金づくりで重要なのは、次の3つのステップです
1 「いくら必要か」を計算する
- 毎月の生活費をリストアップする
- 趣味や旅行などの余暇費用も考慮する
- 予想される医療費や介護費も加える
2 「いつまでに準備するか」を決める
- 理想の退職年齢を設定する
- 年金受給開始年齢を考慮する
- 現在から退職までの期間を計算する
3 「どうやって貯めるか」の方法を選ぶ
- iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAなどの税制優遇制度を活用する
- 積立投資など長期的な資産形成を検討する
- 支出を見直し、無理なく続けられる貯蓄額を設定する
ゴールを明確にしておくと、毎月いくら貯めるべきか、どんな手段を使うべきかも見えてきます。
まずはゴールを決めるところから、老後資金づくりをスタートしてみませんか?
✅ まとめ
今回は2025年度の年金額の1.9%アップと、年代別の年金受給額について解説しました。
⭐ 主なポイントをおさらいしましょう
- 2025年度の年金額は1.9%増額(国民年金は月額69,308円、厚生年金モデル世帯で月額232,784円)
- 増額された年金は2025年6月13日から受け取れる
- 65歳を境に年金額が大きく変わる(基本的に65歳から満額受給開始)
- 厚生年金は個人差が大きく、月額1万円未満から30万円以上まで幅広く分布
- 老後の安心のためには年金だけでなく、自分で備える資金作りも重要
あなたの年金はいくらになりそうですか?
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認し、必要に応じて老後資金づくりを始めることをおすすめします。
よくある質問
Q: なぜ2025年度の年金は1.9%しか増えないのですか?
A: 2025年度の年金額は物価上昇率(2.7%)と賃金上昇率(2.3%)を基に算出され、マクロ経済スライドにより0.4%が調整されて1.9%の増加となりました。このマクロ経済スライドは少子高齢化に対応するための仕組みです。
Q: 増額後の年金はいつから実際に振り込まれますか?
A: 増額された年金は2025年4月分から適用されますが、実際の振込は2025年6月13日(金)からとなります。公的年金は偶数月の15日に、前月と前々月の2ヶ月分がまとめて支給される仕組みだからです。
Q: 80代の方の厚生年金が60代や70代よりも多い理由は何ですか?
A: 80代の方が受け取る厚生年金が多い理由は、かつての終身雇用制度や年功序列型賃金体系の影響が大きいためです。また、年金制度自体の変遷により、世代によって計算方法や支給水準に違いがあることも要因です。
Q: 年金だけでは不安な場合、初心者でも始められる老後資金づくりの方法はありますか?
A: 初心者でも始めやすい老後資金づくりとしては、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)があります。これらは税制優遇があり、少額から始められるのが特徴です。まずは自分の将来必要な金額を計算し、無理のない範囲で積立を始めることが重要です。
Q: 国民年金の保険料が未納の期間がある場合、どのような影響がありますか?
A: 未納期間がある場合、将来受け取れる年金額が減少します。また、未納期間が長いと障害年金や遺族年金を受給できない場合もあります。過去10年以内の未納分であれば「追納制度」を利用して後から納付することも可能ですので、年金事務所に相談されることをおすすめします。
参考情報
- 厚生労働省: <a href="