「給料が増えても手取りが減る」って聞いたことある？実は、年収の壁を超えると急に税金が取られるから起こる現象なんだよね。
2025年から「年収103万円の壁」が「160万円」に引き上げられるって話題になってるけど、実はもう一つ、見落とされがちな「100万円の壁」があるって知ってた？
🔍 「年収の壁」引き上げって聞いたけど、実際どうなるの？
「年収103万円の壁」の引き上げが決まったよ！でも、ニュースの見出しだけ見ると誤解しちゃうかも。実は年収200万円以下の人だけが対象なんだ。
税制改正って複雑だから、今回は分かりやすく解説するよ。この記事を読めば「あなたは得するのか、損するのか」がハッキリわかるはず！
2025年3月31日、参院本会議で「所得税の課税最低ラインを年収160万円まで引き上げる」税制改正関連法が可決・成立したんだ。
現行制度では年収103万円を超えると所得税が課税されてたけど、これが160万円まで引き上げられるってこと。「働き控え」の解消が狙いみたい。
見落としがちなポイント
- この改正は年収200万円以下限定という条件がある
- 「住民税の壁」はそのまま残る
- 社会保険の壁（106万円）も変わらない
2025年税制改正の具体的内容—何が変わるの？
所得税課税最低ラインの引き上げ
今回の改正で一番注目されてるのは、所得税の課税最低ラインが103万円から160万円に引き上げられること。
これによって、今まで103万円を超えると発生していた所得税が、160万円までなら課税されなくなるんだ。
重要ポイント：年収200万円以下が対象
ここが重要！この改正は年収200万円以下の給与所得者に限定されているの。
多くのニュース見出しではここまで書かれてないから、「全員が得するんでしょ？」って思っちゃうかもしれないけど、そうじゃないんだ。
年収200万円を超える人は、恩恵が少なくなる仕組みになってるよ。
具体的な控除額の変更：年収別の基礎控除
給与所得者の場合、所得税は「基礎控除」と「給与所得控除」の合計を超えると課税されるんだ。
今回の改正では、基礎控除額に「年収」という新しい条件が加わったよ：
- 年収200万円以下: 基礎控除が48万円→95万円（+47万円）
- 年収200万円超〜1,000万円以下: 基礎控除が48万円→68万円（+20万円）
- 年収1,000万円超〜2,000万円以下: 基礎控除が48万円→58万円（+10万円）
- 年収2,000万円超〜2,545万円未満: 基礎控除が48万円→（段階的に縮小）
- 年収2,545万円以上: 現行と同じ48万円
また、給与所得控除の最低額も年収に関わらず一律55万円→65万円（+10万円）に引き上げられるよ。
これにより、年収200万円以下の人の課税最低ラインが160万円（95万円+65万円）になって、年収200万円超の人も控除額が増えて税負担が軽くなるんだ。
適用時期と住民税への影響
この改正は2025年分の所得から適用されるよ。つまり、2025年1月以降の給与から新しい控除額が適用されるってこと。
また、給与所得控除額の引き上げは住民税計算にも影響するから、2026年度分の住民税からは課税最低ラインが実質的に110万円になる見込みだよ。
ここまで税制改正の具体的な内容を見てきたけど、実際にあなたの税金はどう変わるのかな？次は、年収別にどれくらい得するか計算してみよう！
あなたは得する？損する？具体的な影響を計算してみよう
新旧制度による所得税額の比較
現行制度と改正後の制度で所得税額を比較してみよう：
現行制度
- 基礎控除：一律48万円
- 給与所得控除の最低額：55万円
- 非課税ライン：103万円（48万円＋55万円）
改正後の制度（年収200万円以下の場合）
- 基礎控除：95万円（+47万円）
- 給与所得控除の最低額：65万円（+10万円）
- 非課税ライン：160万円（95万円＋65万円）
年収別シミュレーション
以下に年収別の影響をシミュレーションしてみるね：
年収120万円の場合
- 現行制度：所得税課税対象（103万円を超えるため）
- 改正後：所得税非課税（160万円未満のため）
- 所得税効果：所得税が発生しなくなる
- 住民税：引き続き課税（100万円の壁があるため）
年収160万円の場合
- 現行制度：課税所得57万円、所得税約2万8,500円（月額約2,375円）
- 改正後：所得税非課税
- 効果：年間約2万8,500円の減税
- 住民税：引き続き課税
年収180万円の場合
- 現行制度：課税対象
- 改正後：課税対象（ただし控除額増加により税額減少）
- 効果：年間約2万円の減税
- 住民税：引き続き課税
年収250万円の場合
- 現行制度：課税対象
- 改正後：変更なし（年収200万円超のため改正の恩恵なし）
- 効果：なし
共働き世帯への影響例
夫の年収600万円、妻のパート年収150万円という共働き世帯の場合：
現行制度
- 妻の所得税：約2万3,500円
- 夫の所得税：約56万6,500円
- 世帯合計：約59万円
改正後
- 妻の所得税：0円（非課税）
- 夫の所得税：約50万6,500円
- 世帯合計：約50万6,500円
- 効果：年間約8万3,500円の減税
注意点：住民税の影響は別
ここ重要！所得税が非課税になっても、住民税は別基準で課されるんだよ。
多くのパート労働者が「年収103万円以下なのに税金が引かれる」と疑問に思うのは、この住民税があるからなんだ。
- 住民税は前年の収入に基づいて翌年課税
- 基本的に年収100万円超で課税
- 均等割4,000円＋所得割（課税所得の10％）で計算
- 改正の影響は2026年度分の住民税から（課税最低ラインが110万円に）
このように、実際の影響は人それぞれ。でも、重要なのは「年収の壁」が一つじゃないってこと。
所得税の壁だけじゃなく、住民税の壁や社会保険の壁など、複数の壁があるんだよ。次は、これらの「壁」について詳しく見ていこう！
「年収の壁」は一つじゃない—日本の税・社会保障制度の複雑な「壁」たち
100万円の壁：住民税の壁（見落とされがちな第一の壁）
実は所得税の「103万円の壁」よりも先に「100万円の壁」が存在するんだ。
これは住民税（地方税）の課税最低ラインのこと。一般的に年収100万円を超えると住民税が課税され、基本的に均等割4,000円と所得に応じた所得割（基本税率10％）が課されるよ。
重要：今回の税制改正では住民税の見直しは行われていないんだ。
ただし、所得税の給与所得控除額が10万円引き上げられたことで、2026年度分の住民税からは課税最低ラインが実質的に110万円になる見込みだよ。
「え？所得税が非課税でも住民税は払うの？」って思った人も多いはず。
そう、これが「年収103万円以下なのに給料から税金が引かれる」理由なんだ。住民税は自治体によって金額が違うけど、年収100万円を超えると基本的に課税されるから注意してね。
103万円の壁：配偶者控除の壁と所得税の壁（現行制度）
配偶者の年収が103万円を超えると、主たる納税者（例えば夫）が受けられる配偶者控除が適用されなくなるんだ。
これも大きな「壁」の一つ。また、現行制度では所得税の課税最低ラインもこの水準だから、ダブルで影響があるんだよね。
106万円の壁：社会保険加入の壁
2022年10月から、一定の条件を満たす企業で働くパート・アルバイト従業員は、年収106万円を超えると社会保険への加入が義務付けられるようになったんだ。
社会保険料の負担増により、手取りが大幅に減少するケースも多いよ。
「年収を増やしたけど、手取りが減った！」っていう不満の最大の原因は実はこれ。
所得税よりも社会保険料の影響が大きいことが多いんだよね。
130万円の壁：配偶者特別控除の逓減開始と社会保険加入の壁
配偶者の年収が130万円を超えると、配偶者特別控除が段階的に減少し始めるよ。
また、一部の企業では年収130万円を超えると社会保険加入義務が発生するんだ。
160万円の新しい壁：所得税課税最低ライン（2025年〜）
今回の改正で新たに設定される「壁」だよ。
ただし、年収200万円以下に限定されているから、その点は注意してね。
ここまで見てきたように、日本の税・社会保障制度には様々な「壁」があるんだ。
だから「103万円の壁を160万円に引き上げた」だけでは、本当の意味での「働き控え」はなくならないかもしれないんだよね。
じゃあ、今回の税制改正は本当に意味があるの？次はその点について考えてみよう！
「働き控え」はなくなるの？税制改正の真の意義と限界
所得税より大きい社会保険の壁
多くの人が指摘しているように、実際の「働き控え」の最大の要因は所得税よりも社会保険料の負担増なんだ。
「もう少し働いたら社会保険に入らないといけなくて、手取りが減ってしまう…」という理由で働く時間を調整している人が多いよ。
今回の改正はこの点に触れていないから、社会保険の「壁」はそのまま残っちゃうんだよね。
限定的な改革の実態
- 年収200万円以下の限定的な適用
- 実質的な減税効果は月々1,700〜2,400円程度
- 住民税の壁は基本的にそのまま
正直なところ、今回の改正は限定的だと言わざるを得ないかも。
特に「年収200万円以下限定」という点が重要で、これを超える人たちにはあまり恩恵がないんだよね。
また、減税額も月々2,000円程度。確かに年間で見れば2〜3万円の減税になるから、ゼロよりはいいけど、「これで働き方が変わる！」というほどの影響はないかもしれないね。
複合的な「壁」問題の本質的解決に必要なこと
真に「年収の壁」問題を解決するためには：
- 税制と社会保障制度の一体的な見直し
- 「壁」を超えても手取りが減少しないスムーズな制度設計
- シンプルで分かりやすい制度への改革
税金と社会保険を別々に考えるのではなく、トータルで見直す必要があるんだよね。
今の複雑な制度だと、自分が得するのか損するのか、専門家でも計算が大変なくらい。もっとシンプルで分かりやすい制度にしていく必要があるよね。
これらの課題は残っているけど、それでも今回の改正は一歩前進。
特にパート労働者や低所得者にとっては、少しでも税負担が減るのはうれしいことだよね。
まとめ：改正は一歩前進だけど、全ての問題を解決するわけじゃない
2025年の税制改正による所得税の課税最低ラインの引き上げは、「年収の壁」問題に対する一歩前進だけど、全ての問題を解決するものではないんだ。
年収200万円以下の人にとっては、わずかながらも手取りが増える可能性があるけど、社会保険料や住民税といった他の「壁」は依然として残るよ。
今回の税制改正のポイント
- 所得税の課税最低ラインが103万円から160万円に
- ただし年収200万円以下限定
- 実質的な減税効果は年間2〜3万円程度
- 適用は2025年分の所得から
- 住民税への影響は2026年度分から
真に「働き控え」をなくし、労働参加を促進するためには、税制と社会保障制度を一体的に見直す必要があるんだよね。
現在の複雑な「壁」だらけの制度では、少し多く働いても手取りが増えないという不合理な状況が続いちゃうんだ。
あなた自身の状況に合わせて、この改正がどのような影響をもたらすのか、ぜひ計算してみてね。
そして、より公平で合理的な税・社会保障制度を求める声を上げていくことが、将来の改革につながるんじゃないかな。
結局のところ、「所得税の壁」が引き上げられても「住民税の壁」や「社会保険の壁」は残ったまま。
本当の意味で「働き控え」がなくなるのは、これらすべての「壁」が解消されたときかもしれないね。
それまでは、自分の収入と各種「壁」の関係をしっかり理解して、最適な働き方を選択していくことが大切だよ！
よくある質問
Q: 2025年からの税制改正は誰でも得するの？
A: 年収200万円以下の人が主な対象です。年収が200万円を超える人は、基礎控除の増加額が少なくなり、年収2,545万円以上の人は現行制度と変わりません。
Q: 年収103万円以下でも税金が引かれているのはなぜ？
A: それは住民税の影響です。所得税の「103万円の壁」より前に「100万円の壁」という住民税の課税ラインがあります。年収100万円を超えると基本的に住民税が課税されます。
Q: 社会保険の「壁」は今回の改正で変わるの？
A: 変わりません。社会保険の加入基準（106万円の壁）は今回の改正では見直されていないため、そのまま残ります。
Q: 住民税はいつから影響を受けるの？
A: 住民税は前年の所得に基づいて翌年課税されます。今回の改正による給与所得控除の引き上げは、2026年度分の住民税から影響し、課税最低ラインが110万円程度になる見込みです。
