あなたは「マダックス」という野球用語を知っていますか?
阪神タイガースの村上頌樹投手が達成して話題になっています。
100球未満で9イニングを投げ切り完封するという、この驚くべき記録について詳しく解説します。
この記事を読めば、マダックスの定義から最新の達成例、歴史的記録まで全てがわかります。
👑 マダックスとは?100球未満完封の定義と由来
マダックス(英: Maddux)とは、野球における非公式記録の一つです。
先発投手が100投球未満で9イニング以上を投げきり、相手チームを完封することを指します。
つまり、少ない球数で試合を支配する投手の技術と効率を示す貴重な記録なのです。
💡 マダックスの由来
この記録名は2012年に記者のジェイソン・ルークハートがグレッグ・マダックスにちなんで名付けました。
名前の由来となったグレッグ・マダックスは、メジャーリーグで活躍した投手で、優れた制球力を持ち、少ない球数で打者を打ち取る効率的な投球で知られていました。
✅ マダックス達成の条件
- 先発投手が9イニング以上を投げきる
- 投球数が100球未満であること
- 相手チームを完封すること(無失点)
グレッグ・マダックス自身は1988年以降、メジャー最多となる13回のマダックスを達成しています。
少ない球数でゲームを支配する彼の能力は、この記録に名を残すにふさわしいものでした。
現代野球では投手の球数制限が厳しくなる傾向があり、9イニングを投げきること自体が珍しい中、マダックスの価値はさらに高まっています。
なぜこれほど難しい記録なのでしょうか? 次のセクションで説明しましょう。
続いて、阪神タイガースの村上頌樹投手が達成した最新のマダックス記録をご紹介します。
🔥 阪神・村上頌樹投手のマダックス達成!その価値と凄さ
2025年5月10日、阪神タイガースの村上頌樹投手が中日ドラゴンズ戦で98球の完封勝利を達成しました。
これにより見事マダックスを記録したのです。特筆すべきは、無四死球での達成という点です。
📊 村上頌樹投手の投球内容
- 投球回:9回
- 投球数:98球
- 被安打:7
- 奪三振:5
- 四球:0
- 死球:0
- 失点:0
- 結果:2-0で勝利
さらに驚くべきは、この完封勝利が2試合連続だったという点です。
スライド登板という状況にもかかわらず、マダックスを達成するという離れ業を見せました。
「マダックスって予想外でした」「村上くんマダックスなんかい、凄いわ」とファンからも称賛の声が相次いでいます。
なぜマダックス達成は難しいのでしょうか?
実は、投手が100球未満で9イニングを投げ切ることは現代野球では非常に難しいとされています。
その理由は、打者の選球眼が向上し、粘り強い打席が増えていることが挙げられます。
また、監督やコーチも投手の肩を守るために投球数を厳しく管理する傾向にあるからです。
この快挙により、村上投手は阪神の新たなエースとしての地位を確立したと言えるでしょう。
では、歴史上どのような選手がマダックスを達成してきたのでしょうか? 次のセクションで見ていきましょう。
歴史に残る驚きのマダックス記録についてご紹介します。
🏆 歴史に残るマダックス達成例と驚きの記録
マダックスの歴史を振り返ると、いくつかの驚異的な記録が存在します。
特に注目すべきは、投球効率の極みともいえる90球未満での達成例です。
⭐ NPB史上最少投球数記録
- 阪急ブレーブス・柴田英治:71球(1952年5月11日)
- 国鉄スワローズ・宮地惟友:79球(1956年9月19日)
- 日本ハムファイターズ・カルロス・ミラバル:80球(2002年4月10日)
- 阪神タイガース・江本孟紀:80球(1977年7月2日)
マダックスと完全試合を同時に達成するのは、どれほど難しいのでしょうか?
さらに驚くべきは、マダックスと完全試合(または無安打無得点試合)を同時に達成した例もあります。
💪 マダックス+完全試合達成例
- ヤンキース・ドミンゴ・ヘルマン:99球(2023年6月28日)
- ホワイトソックス・フィリップ・ハンバー:96球(2012年4月21日)
- 国鉄スワローズ・宮地惟友:79球(1956年9月19日)
- 近鉄パールス・武智文雄:89球(1955年6月19日)
「試合時間55分はNPB史上最短記録」という大阪タイガース・渡辺誠太郎の1946年7月26日の記録も驚異的です。88球で完封を達成しています。
特殊なケースとして、ロイ・ハラデイは2003年9月6日に延長10回を99球で投げ切る完封勝利を挙げました。
これは延長戦でのマダックス達成として唯一の例です。
日本人メジャーリーガーでは、大家友和、黒田博樹、田中将大、菊池雄星の4投手がこの記録を達成しています。
菊池雄星は2019年8月18日にトロント戦で96球の完封を記録しました。
これらの記録から、マダックスがいかに難しい記録であるかがわかります。
では次に、なぜこれほど難しいのか、その理由と投手の戦略について見ていきましょう。
マダックス達成の難易度と戦略について詳しく解説します。
📊 マダックスの難易度と投手の戦略
マダックスを達成するためには、いくつかの重要な要素が必要です。
単に9イニングを投げ切るだけでなく、100球未満という球数制限と完封という結果を両立させなければなりません。
💡 マダックス達成に必要な要素
- 優れた制球力(無駄な四球を出さない)
- 効率的な投球戦略(早いカウントでの勝負)
- 強力な守備陣のサポート
- 相手打線の早打ち傾向
- 運(打球が守備位置に飛ぶなど)
特に現代野球では、投手の球数管理が厳しくなっており、完投自体が珍しくなっています。
多くの場合、先発投手は100球前後で降板するのが一般的です。
そのため、100球未満で9イニングを投げ切るという条件はより難しくなっています。
💪 マダックスに適した投手のスタイル
実は、マダックスを達成するためには投手のスタイルも重要です。
コンタクト重視の投球スタイルを持つ投手は、三振を多く取る投手よりもマダックス達成の可能性が高いと考えられます。
グレッグ・マダックスは「打者に打たせて凡打にする」投球スタイルで知られ、少ない球数で効率的にアウトを重ねていました。
これは奪三振には通常3球以上必要なのに対し、凡打なら1球でアウトを取れることがあるからです。
つまり、三振よりも効率的に投球数を抑えられるのです。
村上頌樹投手の場合、無四死球での達成が特筆すべき点です。
四球を出さないことで余分な投球を避け、効率的に投球数を抑えることができました。
このように、マダックスの達成には様々な要素が絡み合っています。
効率的な投球と運の要素が組み合わさることで、この稀有な記録が生まれるのです。
最後に、マダックスの価値と今後の展望についてまとめます。
📝 まとめ
マダックスは野球の非公式記録の中でも特に価値の高いものです。
100球未満で9イニングを投げ切り完封するという難易度の高さは、投手の技術と効率の高さを示す証でもあります。
✅ マダックスについて覚えておきたいポイント
- グレッグ・マダックスにちなんで名付けられた記録
- 100球未満で9イニング以上投げ切り完封する
- 村上頌樹投手は2025年5月10日に98球で達成
- NPB史上最少球数は柴田英治の71球
- 完全試合やノーヒットノーランとの同時達成例もある
今後も村上頌樹投手のような若手投手の活躍に注目しながら、マダックスという記録への理解を深めていきましょう。
あなたが観戦した試合の中で、印象に残るマダックスの達成はありますか?
また、次にマダックスを達成しそうな投手は誰だと思いますか?
よくある質問
Q: なぜマダックスという記録は価値が高いのですか?
A: 投手の効率と制球力の高さを証明する記録だからです。100球未満で9イニングを投げ切るには、無駄な球数を使わず、四球を出さず、効率的にアウトを取る能力が必要です。現代野球では投手の球数管理が厳しくなり完投自体が減少しているため、その価値はさらに高まっています。
Q: マダックス達成後、その後のピッチャーの成績はどうなることが多いですか?
A: マダックス達成後も安定した投球を続ける投手が多いですが、体力消耗による次登板での影響を懸念して調整が入ることもあります。村上頌樹投手のように2試合連続完封を達成するケースは稀で、多くの場合は球数管理を徹底した次の登板となります。
Q: 雨の場合でもマダックスは達成できますか?
A: 雨の日の場合でも9イニングを投げ切り、100球未満で完封すればマダックス達成となります。ただし、降雨コールドで9イニング未満で試合終了した場合は、公式にはマダックスとはみなされません。雨の影響でボールが滑りやすくなるため、むしろ難易度は上がるでしょう。
Q: 初心者でも理解しやすいマダックス記録の凄さを説明するとどうなりますか?
A: 野球の投手が9回以上を投げるためには通常120〜130球程度必要です。マダックスはその3分の2以下の球数で完投完封するため、まるで100mを10秒で走るところを7秒で走るような効率性です。しかも無失点に抑えるという条件も加わるため、一般的な完投よりもはるかに難易度が高く、達成できる投手は極めて限られています。
Q: マダックスに特に強い投手の特徴は何ですか?
A: マダックスに強い投手は、①優れた制球力があり四球が少ない、②コンタクト重視の投球スタイルで早いカウントで打たせる、③効率的な戦略で投球数を抑える、④打者心理を読む能力が高い、⑤体力と集中力に優れている、といった特徴を持ちます。三振を多く奪うタイプより、打たせて取るタイプの方がマダックス達成確率が高い傾向にあります。
Q: 現在のプロ野球でマダックスの達成率は以前と比べてどう変化していますか?
A: 現在のプロ野球では、投手の球数管理が厳しくなり、完投自体が減少しているため、マダックスの達成率は以前と比べて低下しています。1950-70年代は年に5-10回程度達成されていましたが、2010年代以降は年に2-3回程度と減少傾向にあります。一方で、達成された場合の価値や注目度は高まっており、投手の評価指標としての重要性は増しています。
参考情報
- Wikipedia: マダックス (記録) ()
- デイリースポーツ: 阪神快勝!村上が圧巻の2戦連続完封で6勝目 98球マダックス達成! ()