2025年6月、北海道で震度4の地震が1ヶ月間で5回も相次いでいます。
この異常な状況に多くの人が不安を感じています。
⚠️ 重要なポイント
気象庁は「日頃から備えを進めるよう」呼びかけており、新しく運用された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」という制度についても注目が集まっています。
今回は、相次ぐ地震の詳しい状況と新しい警戒制度の内容、そして今すぐできる備えのポイントを分かりやすく解説します。
📋 この記事でわかること
🌊 北海道で震度4地震が相次ぐ状況とは
2025年6月2日午前4時前、十勝沖を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生し、北海道で震度4の揺れを観測しました。
💡 実はこれだけではありません!
北海道では5月から震度4を観測する地震が相次いでいるのです。
📊 1ヶ月間で発生した震度4の地震
- 6月2日:十勝沖 マグニチュード6.3
- 5月31日:釧路沖 マグニチュード6.0
- 5月26日:十勝地方南部
- 5月23日:浦河沖
- 5月15日:十勝地方中部
これほど短期間で震度4が相次ぐのは珍しいことです。
しかし、気象庁によると震源の距離がそれぞれ離れているため、一連の地震に直接的な関連はないとみられています。
北海道大学の高橋浩晃教授は「もともと北海道の太平洋側は全国的にみても地震が多い場所」と説明しています。
一般的に、この地域では時期的に地震が集中することが時々あると考えられています。
❓ それでも専門家が備えを呼びかけるのはなぜなのでしょうか?
その理由は、新しい警戒制度と千島海溝の巨大地震リスクにあります。
⚠️ 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは何か
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、2022年12月から運用が始まった比較的新しい地震警戒制度です。
🚨 重要な制度について
この情報は、千島海溝や日本海溝とその周辺でマグニチュード7.0以上の地震が発生した場合に、後発の巨大地震への注意を促すために発表されます。
制度が作られた背景には驚くべき事実があります。
2011年の東日本大震災の2日前に、マグニチュード7クラスの地震が起きていたのです。
📋 情報発表の仕組み
- 発表タイミング:M7.0以上の地震発生後、おおむね2時間後
- 対象地域:182の市町村(北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉)
- 注意期間:発表から1週間程度
- 対応内容:事前避難は求めず、日常生活を維持しつつ備えを確認
💪 実際の発生確率について
実際に後発地震が発生する確率は低いとされています。
過去100年間で世界中に発生したマグニチュード7以上の地震1477事例のうち、7日以内にM8クラス以上が発生したのは17事例のみです。
この制度は万一に備えた「念のため」の警戒システムと考えられます。
今回の北海道の地震はM6.3とM6.0なので、この制度の対象にはなっていません。
次に、千島海溝の巨大地震リスクについて詳しく見ていきましょう。
🗾 千島海溝巨大地震のリスクと今回の地震の関係
今回相次いだ地震と関連して、千島海溝沿いの巨大地震リスクが改めて注目されています。
⏰ 驚愕の事実
千島海溝では約300〜400年周期で超巨大地震が発生しているとされています。
最も注目すべきは、前回の超巨大地震が17世紀(1611〜1637年頃)に発生したとされ、現在すでに400年以上が経過していることです。
📊 千島海溝巨大地震の想定
- 地震規模:最大マグニチュード9.3
- 津波の高さ:えりも町で27.9m、釧路で20.7m
- 30年以内発生確率:7〜40%
- 最悪の死者想定:約10万人
❓ では、今回の地震群は巨大地震の前兆なのでしょうか?
北海道大学の高橋浩晃教授は「今回の地震は心配されている巨大地震と関係があるかは科学的にはわからない」と説明しています。
震源地がバラバラで直接的な関係はないとされています。
💡 重要なのは、巨大地震はもともと「いつ起きてもおかしくない状況」だということです。
今回の地震が特別な前兆というわけではなく、常日頃から備えが必要な状態が続いているのです。
2003年には北海道で震度6弱を観測したマグニチュード8.0の十勝沖地震も発生しており、この地域の地震活動は決して珍しいことではありません。
次に、具体的にどのような備えをすればよいのか見ていきましょう。
🎒 今すぐできる地震への備えのポイント
専門家は「普段の生活を続けてもらって全く問題ない」としながらも、日頃からの備えの重要性を強調しています。
🏠 家の中の安全対策
家具の転倒防止対策は最重要です。
阪神・淡路大震災では、多くの方が倒れてきた家具の下敷きになって亡くなりました。
- 家具を壁に固定:L字金具やつっぱり棒で固定
- 高い場所に物を置かない:落下の危険を防ぐ
- 寝室の安全確保:ベッド周りに倒れそうな家具を置かない
- ガラスの飛散防止:窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
🥫 備蓄の準備(3日分が目安)
電気・水道・ガスなどのライフラインが止まった場合に備えて、普段から備蓄をしておきましょう。
🛒 必須の備蓄品
- 飲料水:1人1日3リットル × 3日分
- 非常食:アルファ米、ビスケット、缶詰など
- 日用品:トイレットペーパー、携帯トイレ、懐中電灯
- 暖房用品:カセットコンロ、毛布(北海道の寒さ対策)
⚠️ 北海道特有の注意点
特に北海道では、2018年の胆振東部地震でブラックアウト(大規模停電)が発生しました。
停電対策として、携帯の充電器やラジオも準備しておくことが重要です。
📱 避難・連絡方法の確認
- 避難場所と経路の確認:自宅から最寄りの避難場所までのルートを家族で確認
- 家族との連絡方法:災害時伝言ダイヤル「171」の使い方を覚える
- 緊急持ち出し品:貴重品、薬、着替えをすぐに持ち出せるよう準備
最後に、よくある質問にお答えします。
❓ よくある質問
Q: なぜ北海道で地震が相次いでいるのですか?
A: 気象庁によると、震源地がそれぞれ離れているため直接的な関連はないとされています。北海道太平洋側はもともと地震が多い地域で、時期的に集中することは時々あります。
Q: 北海道・三陸沖後発地震注意情報はいつ発表されるのですか?
A: 千島海溝や日本海溝でマグニチュード7.0以上の地震が発生した場合に、おおむね2時間後をめどに発表されます。今回の地震はM6.3とM6.0なので対象外です。
Q: 千島海溝巨大地震が発生する可能性はどのくらいですか?
A: 地震調査委員会によると、30年以内に超巨大地震(M8.8以上)が発生する確率は7〜40%とされています。17世紀以来400年以上経過しており、いつ起きてもおかしくない状況です。
Q: 今回の地震が起きた場合、どのような備えをすればよいですか?
A: 家具の転倒防止、3日分の水・食料・日用品の備蓄、避難場所と連絡方法の確認が基本です。北海道では特に寒さ対策と停電対策も重要です。
📋 まとめ
北海道で相次ぐ震度4の地震について、重要なポイントをまとめます。
🔍 今回分かったこと
- 1ヶ月で震度4が5回発生したが、震源がバラバラで直接的関連はない
- 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」という新しい警戒制度が2022年から運用開始
- 千島海溝巨大地震は17世紀以来400年経過し、いつ起きてもおかしくない状況
- 専門家は過度な心配は不要だが、日頃の備えの重要性を強調
✅ 今すぐできる行動
- 家具の転倒防止対策の実施
- 3日分の水・食料・日用品の備蓄
- 避難場所と連絡方法の家族での確認
- 北海道特有の寒さ・停電対策の準備
地震は予測できませんが、備えることで被害を減らすことは確実にできます。
今回の地震を機に、ご家族で防災について話し合ってみてはいかがでしょうか。
あなたの地域の備えは十分ですか?
小さな準備の積み重ねが、いざという時に大きな違いを生むのです。
参考情報
- NHK: 北海道 震度4相次ぐ 日頃から備え進めるよう呼びかけ 気象庁 ()
- 気象庁: 北海道・三陸沖後発地震注意情報について ()
- 地震調査研究推進本部: 千島海溝沿いの地震活動の長期評価 ()