広末涼子さんが公表した「双極性障害」と「甲状腺機能亢進症」の併発。
専門家も「珍しい」と指摘するこの2つの病気の意外な関係性とは？
この記事を読むと、「双極性障害」と「甲状腺機能亢進症」の特徴と関連性、そして2つの疾患が併発した場合の影響や治療法がわかります。
芸能人の事例を通して学ぶ心と体の健康管理の重要性をお伝えします。
この記事でわかること
📢 広末涼子が公表した双極性障害と甲状腺機能亢進症とは
2025年5月2日、女優の広末涼子さん（44）が「双極性感情障害および甲状腺機能亢進症」と診断されたことを公表しました。
4月16日の勾留解除後、都内の医療機関に入院して診断を受けたとのことです。
所属事務所は「本人の不調や苦しみを『体調不良』といった言葉で済ませてしまったことを深く反省」と述べています。
当面の間、全ての芸能活動を休止して心身の回復に専念するとしました。
⚠️ 専門家によるとこの2つの病気の併発は珍しいケースです。
精神科医の藤野智哉医師は「双極症では気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的になったり易怒的になる期間が生じます」と説明しています。
早稲田大学教授の西多昌規医師が指摘する「甲状腺機能亢進症はハイテンションやキレやすいなどの精神症状を生じることも少なくない」という点は特に注目に値します。
両方の症状が重なることで、精神状態に複合的な影響を与えた可能性があります。
「広末本人はもちろん私たち周囲も、本人の不調や苦しみを『体調不良』といった言葉で済ませてしまっていたことを、今回の事案を通じて深く反省しております」（所属事務所公式発表より）
なぜこの2つの病気が同時に発症することが珍しいのでしょうか？
その理由と影響について、次のセクションで詳しく見ていきましょう。
まずは双極性障害について詳しく理解していきましょう。
🧠 双極性障害の特徴と症状 - 脳内の神経伝達物質の乱れ
双極性障害（かつては躁うつ病と呼ばれていました）は、気分の大きな波が特徴の精神疾患です。
うつ状態と躁状態を繰り返します。
💡 躁状態と主な症状
- 気分の高揚と多幸感
- 自信の肥大と誇大的な考え
- 多弁・早口になる
- 睡眠欲求の減少（少ない睡眠でも元気に感じる）
- 衝動的な行動（浪費や危険行為など）
- 注意の散漫さ
⚠️ うつ状態と主な症状
- 気分の落ち込みと意欲低下
- 興味や喜びの喪失
- 疲労感と体力低下
- 不眠または過眠
- 自責感や罪悪感
- 希死念慮
筑波大学の太刀川弘和教授によると「偉大な芸術家や芸能人に多い」とされています。
「本人はうつの時につらいのですが、躁の時には自分の状況がわからなくなり、周囲が困ります」と説明しています。
1 双極性障害には主に2つのタイプがあります：
👉 双極I型：明確な躁状態とうつ状態を繰り返す
👉 双極II型：軽い躁状態（軽躁状態）とうつ状態を繰り返す
この病気の原因は完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の乱れによると考えられています。
ストレスが誘因となることがありますが、直接的な原因ではありません。
あなたは双極性障害の症状について、これまで知らなかったことはありましたか？
適切な治療と自己理解が重要なポイントになります。
次に、もう一つの疾患である甲状腺機能亢進症について解説します。
🦋 甲状腺機能亢進症（バセドウ病）の仕組みと全身への影響
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
その代表的なものがバセドウ病です。
甲状腺は首の前方にある蝶々のような形の臓器で、全身の代謝を調節する重要なホルモンを分泌しています。
このホルモンバランスが崩れると、体のさまざまな機能に影響が出ます。
✅ 甲状腺機能亢進症の主な症状
- 動悸や頻脈（脈が速くなる）
- 多汗、暑がり
- 体重減少（食欲があるのに痩せる）
- 手の震え
- イライラ感や精神的な不安定さ
- 疲れやすさ
- 眼球突出（バセドウ病の場合）
💡 実は知られていない事実
甲状腺機能亢進症は外見からは分かりにくい苦しみがある病気です。
「ネットで症状を検索すると大した事無い様な事が書かれていますが、本当に辛いです」と当事者は語ります。
甲状腺機能亢進症の原因は、主に免疫系の異常です。
バセドウ病では、自分の甲状腺を攻撃する自己抗体が作られてしまいます。
想像してみてください。あなたの体が自分自身を攻撃するという状況を。
💪 女性に特に多い疾患
女性に多く見られ、20〜30代で発症することが多いとされています。
ストレスや妊娠・出産などをきっかけに発症することもあります。
意外なことに、甲状腺機能亢進症は精神症状を引き起こすことも知られています。
そして、これが双極性障害との関連性につながるのです。
次のセクションでは、この2つの疾患の意外な関連性と併発した場合の影響について詳しく見ていきましょう。
🔄 双極性障害と甲状腺機能亢進症 - 意外な関連性と併発の影響
双極性障害と甲状腺機能亢進症の併発は珍しいものの、両者には意外な関連性があります。
なぜこの2つの疾患が関係しているのでしょうか？
精神科医の井上智介医師は「双極症にも色々なタイプがあります。
例えば、かなり躁が強いタイプだったり、鬱が強くて軽い躁が主なタイプだったり」と説明しています。
両方の疾患が重なると、次のような複合的な影響が考えられます：
⚠️ 併発の影響
- 気分の変動が増幅される可能性
- 精神的な高揚状態がより激しくなる可能性
- 身体症状と精神症状が互いに影響し合う
- 診断と治療がより複雑になる
実は意外な事実として、甲状腺機能異常が双極性障害のような精神症状を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
これは「症状精神病」と呼ばれることもあります。
甲状腺機能亢進症による精神症状が双極性障害と誤診されることもあれば、逆に双極性障害の症状が甲状腺機能の異常によって修飾されることもあります。
このような複雑な相互作用が、広末涼子さんのケースでも起きていた可能性があるのではないでしょうか？
太刀川弘和医師によれば「どちらも治療でよくなる」とのことです。
適切な治療を受けることが何より重要です。
では、これらの疾患の治療法と回復への道のりについて、次のセクションで解説します。
💊 治療法と回復への道のり - 長期的な視点での健康管理
双極性障害と甲状腺機能亢進症、それぞれの治療法はどのようなものでしょうか？
そして併発した場合はどう対応すべきなのでしょうか？
🧠 双極性障害の主な治療薬
- リーマス（炭酸リチウム）
- デパケン（バルプロ酸）
- テグレトール（カルバマゼピン）
- ラミクタール（ラモトリギン）
- 非定型向精神病薬（ビプレッソ、セロクエルなど）
双極性障害の治療では、気分の波を安定させることが最も重要です。
薬物療法と心理社会的治療を組み合わせるアプローチが一般的です。
🦋 甲状腺機能亢進症の治療法
- 抗甲状腺薬による薬物療法
- 放射性ヨウ素内用療法
- 手術療法
西多昌規医師は「甲状腺機能亢進症は、精査と治療によって回復の可能性を予測させる」と指摘しています。
また太刀川弘和医師も「どちらも治療でよくなる」と述べており、適切な治療を受けることの重要性を強調しています。
「よいお医者さんと合うお薬、自分のペースや性質をしっかり理解することが重要です」（双極性障害の当事者）
⏰ 併発時の治療で注意すべき点
1 甲状腺機能が安定すると精神症状も改善する場合があります
2 双極性障害の薬が甲状腺機能に影響する場合もあります
3 総合的な治療計画が必要です
4 継続的な通院と服薬が非常に重要です
特に重要なのは継続的な治療です。
「躁状態の時に『治った』と本人が勘違いして、薬や治療を止めてしまうと大変なことになる」
との指摘もあります。
あなたは心と体の健康が密接に関連していることを知っていましたか？
回復への道のりは長いかもしれませんが、専門家のサポートと周囲の理解があれば、症状をコントロールしながら充実した生活を送ることは十分可能です。
最後に、これまでの内容をまとめて振り返ってみましょう。
📝 まとめ
広末涼子さんが公表した双極性障害と甲状腺機能亢進症の併発について、その特徴と関連性をまとめてきました。
✅ この記事のポイント
- 双極性障害と甲状腺機能亢進症の併発は専門家も「珍しい」と指摘
- 双極性障害は気分の高揚（躁状態）と落ち込み（うつ状態）を繰り返す疾患
- 甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの過剰分泌による全身への影響がある疾患
- 甲状腺機能亢進症は精神症状を引き起こすことがあり、双極性障害との鑑別が難しいケースも
- 両方の疾患とも適切な治療で症状コントロールが可能
心と体は密接につながっており、一方の不調がもう一方に影響することがあります。
広末さんのケースは、2つの疾患が複合的に影響した可能性があります。
精神疾患も身体疾患も、早期発見・早期治療が重要です。
井上智介医師が指摘するように「この病名が人としての危うさや社会的リスクを示す訳ではありません」。
疾患を正しく理解し、偏見なく接することが大切です。
あなたはこの記事を読んで、心と体の健康について何か新しい気づきはありましたか？
ぜひコメント欄で教えてください。
❓ よくある質問
Q: なぜ双極性障害と甲状腺機能亢進症の併発は珍しいのですか？
A: 双極性障害と甲状腺機能亢進症はそれぞれ異なる原因メカニズムを持つ疾患であり、両方が同時に発症する確率は統計的に低いためです。また、甲状腺機能亢進症自体が精神症状を引き起こすことがあるため、併発と誤診の区別が難しいケースもあります。
Q: 双極性障害の症状が出た場合、甲状腺機能亢進症の可能性も調べるべきですか？
A: はい、精神症状のみで治療を始める前に、甲状腺機能を含む身体的な原因の検査を行うことは重要です。甲状腺機能亢進症は双極性障害に似た症状を引き起こすことがあり、適切な診断のためには包括的な検査が必要です。
Q: 甲状腺機能亢進症を治療すると、精神症状も改善しますか？
A: 甲状腺機能亢進症が原因で精神症状が現れている場合、甲状腺機能を正常化する治療により精神症状も改善することが多いです。しかし、双極性障害と甲状腺機能亢進症が併存している場合は、両方の疾患に対する治療が必要となります。
Q: 双極性障害と甲状腺機能亢進症が併発した場合の治療法はどのように変わりますか？
A: 併発した場合は、両方の疾患を考慮した総合的な治療計画が必要です。薬物療法の選択には特に注意が必要で、双極性障害の薬が甲状腺機能に影響することもあります。専門医による慎重な薬の調整と定期的なモニタリングが重要になります。
Q: 以前と比べて双極性障害の治療法は進歩していますか？
A: はい、近年の精神医学の進歩により、双極性障害の治療法は大きく進化しています。新しい薬物療法の開発や精神療法の改良、バイオマーカー研究の発展などにより、より個人に合わせた効果的な治療が可能になってきています。
参考情報
- スポニチアネックス: 広末涼子「双極性感情障害」を公表し全ての芸能活動休止発表「心身の回復に専念」甲状腺機能亢進症の診断も ()
- 慶應義塾大学病院: 甲状腺機能亢進症・別名：バセドウ病 ()
- 日本内分泌学会: バセドウ病 ()
- こころの情報サイト: 双極性障害（躁うつ病） ()
