命を救うために飛んだヘリが墜落しました。86歳の患者さんを救うために飛んだ医療チームのヘリが海に落ち、患者さんが亡くなられました。
この記事でわかること
医療ヘリが海に落ちた事故の概要
2025年4月6日の午後、長崎県の対馬から福岡市の病院に向かっていた医療搬送ヘリが事故を起こしました。
ヘリは海に転覆し、乗っていた6人全員が救助されました。
残念ながら搭乗されていた86歳の女性患者さん(モトイシミツコさん)が亡くなられました。
また、34歳の男性医師と68歳の付き添いの男性も心肺停止の重篤な状態です。
ポイント
このヘリは「医療搬送ヘリ」といって、病気やケガで緊急に病院に運ばなければならない人を運ぶためのものです。
特に島など、救急車ではすぐに行けない場所で重要な役割を果たしています。
ヘリには6人が乗っていました:
- • 男性機長(66歳)
- • 男性整備士(年齢不明)
- • 男性医師(34歳)心肺停止の状態
- • 女性看護師(28歳)
- • 女性患者(86歳)亡くなられました
- • 付き添いの男性(68歳)心肺停止の状態
この事故で何が起きたのか、どのように救助されたのか、次は事故の流れを見ていきましょう。
事故から救助までの流れ
ヘリは4月6日午後1時半に対馬空港を出発しました。
福岡市東区にある福岡和白病院に午後2時40分に到着する予定でした。
しかし、午後2時50分ごろに「ヘリが消息不明」という連絡が入りました。
ヘリとの連絡が取れなくなりました。
海上保安庁と航空自衛隊がすぐに捜索を始めました。
そして午後5時5分ごろ、壱岐島の北東約27キロの海上で転覆したヘリを発見しました。
- • 3人(機長、整備士、看護師)はヘリの浮き具(フロート)につかまって発見されました
- • 他の3人(患者、医師、付き添い)はヘリの中にいました
- • 全員が午後7時までに救助されました
ヘリが海に落ちてから約4時間後に全員が救助されたことになります。
しかし、長時間海の中にいたため、低体温症(体の温度が下がる症状)になった可能性があります。
次は、なぜこの事故が起きたのか、島の医療にはどんな課題があるのかについて考えてみましょう。
事故の原因と島の医療の課題
ヘリを運航していた会社「エス・ジー・シー佐賀航空」は、「フロート(浮き具)が開いていたことから不時着水と考えている」と説明しています。
簡単に言うと、ヘリが何らかの理由で海に着水する必要があり、そのために浮き具を使ったということです。
墜落というより、緊急着水だった可能性が高いと考えられています。
当日の対馬海峡には「海上濃霧警報」が出ていました。
霧で視界が悪かったことが影響した可能性もあります。
「離島に住む人にとって、医療ヘリは命綱です。しかし常にリスクと隣り合わせの状況にあります」
この事故から考えさせられるのは、島に住む人たちの医療の問題です。
対馬のような離島では、専門的な治療ができる大きな病院が少ないのが現状です。
なぜ離島の医療体制が重要なのか
重い病気やケガの場合は本土の大きな病院に運ぶ必要があります。その時に頼りになるのが医療搬送ヘリです。この手段が失われると、離島の方々の医療アクセスに大きな影響が出てしまいます。
- • 島には専門医や大きな病院が少ない
- • 緊急時には本土の病院へ行く必要がある
- • 天候によってヘリやフェリーが使えないことも
- • 高齢者が多く、医療需要が高い
この事故を通じて、離島の医療体制や医療搬送の安全性について、改めて考える必要があるでしょう。
まとめ:命を守る「空飛ぶ救急車」の悲劇
対馬から福岡への医療搬送中に起きた悲しい事故。
86歳の患者さんが亡くなられ、医師と付き添いの方も重篤な状態という結果になりました。
この「空飛ぶ救急車」とも言える医療搬送ヘリは、離島に住む人々の命を守る大切な存在です。
しかし今回のような事故が起きると、その安全性についても考えざるを得ません。
今後の課題
今後、事故原因がしっかり調査され、より安全な医療搬送の仕組みが作られることを願います。また、離島の医療体制をより良くするための議論も必要かもしれません。
島に住む人々が安心して暮らせるよう、私たちはこの問題について考え続ける必要があります。皆さんはどのようにお考えでしょうか?コメント欄でご意見をお聞かせください。
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Q: 医療搬送ヘリと救急ヘリ(ドクターヘリ)は同じものですか?
A: 似ていますが少し違います。今回の事故機は患者さんを病院間で運ぶ「医療搬送ヘリ」です。一方「ドクターヘリ」は医師を事故現場などに運び、その場で治療を始めるためのヘリです。
Q: 離島に住む人はどうやって医療を受けているのですか?
A: 島内の診療所や小さな病院で対応できる範囲の医療は受けられます。しかし、専門的な治療や緊急性の高い場合は、ヘリやフェリーで本土の大きな病院に運ばれることが必要です。